結局下請け産業は継続が難しいのか

2017年11月30日をもって知り合いの会社が5件廃業した。製本加工関連が3社、プラスティック加工1社、建設業1社だ。

聞いたのはつい2週間ほど前がほとんどで、なんとも残念な話だ。倒産ではなく、資産を投げうっての廃業であり、今後の継続はないという。

下請け産業にとっては本当に厳しい時代である。

他人事と思えない理由は多くあるのだが、共通して言えることは仕事がない、安いことで利益が出ないことに加えて人間の老朽化が進み、特に親族の高年齢化で会社の活気がなくなり最終的には心が折れたということだ。

事業を継続することは本当に難しいと痛感する。

営業の譲渡やM&Aなどの手段もあっただろうが、やはりそこまでのモチベーションはなかったと推測している。

残された我々も切磋琢磨して残存利益を出さなければならない境遇である。



この先どのようにすれば下請け産業が生き残っていけるのか

目の前に置かれている現実を受け止めて真剣に考えなければならない。

ではいったい今抱えている多くの問題は何なのか

そしてその解決策ということで考えなくてはならないと思っているので少しまとめてみた。

偏った自分なりの考えなので読みにくい部分もあることをご承知願いたい。

下請け産業が直面している問題

仕事の量が少ない
単価が安い
事業継承の方法、タイミングが悪い
人手不足、人材不足
資材、運賃の高騰

ぱっと思いつき、自分にも直面していることはこのあたりである。
他にも多くの問題があるが、キリがないくらいの量となるのでここでおさえることにします。
解決策さえあればとっくに解決している。問題解決のヒントになればと思い数値分析してみた。

解決策

仕事の量が少ない

製造業、特に下請け業などは大手の機械化、海外進出などで仕事の量はかなり減少している。これから先も続くと予想される。

今我々がこの少ない仕事の量で会社経営をしていくためには、作る側、そう我々下請け会社が減ればいいのである。少し残酷な言い方をすれば、いわゆる自然淘汰で体力のない会社がしめていけばいいと考える。

しかし、代々続けている会社、または引き継いだ会社経営陣が本気でまだ継続したいと思うならば、選択肢としては吸収合併しかないと思う。

技術や人材がいても仕事が少ないならば、仕事はあるがこなしきれない営業力がある会社とくっつけば解決できる。もちろんそのお見合い方法すらわからないということが一般的だが、身近で言うと、金融機関や税理士法人などが一番手っ取り早い。最近では信用保証協会などでも相談窓口を設けている。

すぐに解決はしないが親身になって相談を受け付けてくれるところも多いはずです。

単価が安い

この問題は本当に難しいと思う。私自身何十年も経験しているが、未だに解決はしない。

なにせ相手が決めることであり、仮に自分が見積もりを出したとしても高いとはねられ、最終的には仕事がなくなるケースがほとんどだ。実際製本業では、「こんな安い仕事はやらない。同業同士で同盟結んでみんなでお断りしよう。」などと言いながら隣で次の日にはその仕事を受ける会社があるのだ。資本主義社会で特にそれで事業を行えるならばそれで問題はないはずです。

人が何と言おうとそれでやっていけるならばありな話です

ですからこの先単価があがることはまずないと考えるほうが正しいのです。

問題は安い単価でもできる、やっていける会社がある以上はその仕組みを知るべきだと思います。

安い材料でいかにおいしい料理を作るか。そんな問題です。ですから調理法を考え、調味料の選択など多くの勉強しなくてはいけない箇所があるはずです。私もこの調理法については未だ勉強中です。

単純な話ですが同じ売り上げで経費をどのようにして落とすかということです。会社の事情は個々に違うはずなので同じ答えはありませんが、いきつくところは同じなので、単価を上げる方法よりは経費を下げる方法を見出す方が早いと考えています。製本業の場合、経費のほとんどが人件費にとれらてしまい、賃上げしている最中にこの作業は大変難しいですが、できないことはありません。

少なからず当社でも小さな努力はしています。
電気代の削減
27年度~28年度にかけて売り上げはほぼ同じでしたが、電気代が約200万円削減できました。
これは夏場、冬場の空調設備を朝7:00~つけていたものを朝は10:00帰りも1時間短縮することで実現できました。1日6000円くらいの削減です。
もちろん空調設備だけでなく、当社で働く中国人実習生にも教育しました。

トイレの貼り紙画像

トイレの貼り紙

中国語での標記です。
言葉で説明しても理解しているようでしてないものです。

なので、電気のスイッチなどの付近には全部貼り紙をしています。
ここでの削減は数値が出しにくいのですが、やはり小さなことが最終的な数字に反映されてきたのだと思います。

事業継承の方法、タイミングが悪い

多くの2代目世代たちとお付き合いをしていると、70代、80代になっても俺が社長だと頑張っている方の息子が多くいます。一見戦闘きって頑張る高齢者の経営者の方は素晴らしいと称賛されることもあると思います。

しかし、会社を未来永劫繁栄させ継続させるためにその考えは必要でしょうか?

20も30も年が違えば育った環境も違いますし、文化も変わります。世の中の動きも少なからず変わるはずです。高齢者が消費するものと若者が消費するものは違います。

創業をした方の苦労や功績は称えなくてはいけませんが、それ以上は何もないはずです。会社のことを本当に考えて将来繁栄させるなら早いうちに引き継ぐべきだと思っています。

いやいやそんなことは無いというのであれば、いつでもいらしてください。

そんな考え私が論破します。

人手不足、人材不足
働く人口の減少、時代が変わったせいか、新しい職種は増えているものの古い体質での工場経営などの会社には中々人が集まりにくいものです。
実際のところ、当社でも外国人労働者が増えてきており(海外実習生)、人材確保は出来ても品質の保全、ジャパンクオリティーを維持していくことが非常に難しくなっています。
そうはいっても海外実習生の導入も解決のひとつなのではないでしょうか。

資材、運賃の高騰

この問題に関しても自分たちでは中々解決できない問題です。
当社では資材や部品などに関しては現在のところ、解決策が見いだせないため、7S活動をしています。
これは通常の5S活動の他に節約、スピードを加えたもので、とにかく徹底して無駄に買い物をしないというものです。

ネジ画像

工場でネジだけをかき集めた結果

工場内を隅から隅まで掃除して出てきたネジです。
これだけで何十万もします。もちろん工具類などもすべて入れると数百万クラスです。

これで1年間の修繕費、資材などの購入金額が何十万円も下がりました。

運賃に関しての高騰分は正直お客様にお願いするしかないため自らの解決策はこの先皆さんで知恵を出して考えていきましょう。