経営者は老後の準備をしなくてはならない

日本の中小企業経営者の老後は本当に手薄いものです。
サラリーマンで40年企業勤めした方の老後と明らかに違います。
違いすぎる。。

一般的に中小企業の社長は身を粉にして働いて、会社のために金策したり、資金つぎ込んだりして中年時代を働きづくめになります。
時折、人よりも一見良さげな生活をしているようにも見えますが、現代社会においてはその良さを継続できる生活をできる人はわずかです。

老後破産が増えている事実

老後破産という言葉も一般的になりました。
というのも2014年時点で600万人の独居老人のうち300万人が貧困生活を送っていて、うち100万人の生活保護者を除くと200万人が破産状態であるという。実に3人に1人が破産するという現実だ。

サラリーマン生活を40年送った方は破産しないという話もどこ吹く風です。

破産する人としない人の分かれ道

まずは、女性よりも男性の方が老後破産しやすい。

これは女性の方がコミュニケーション能力が高く早く相談する傾向がある。
一方男性は強くたくましく生きなければならないという意識が強いためです。

国民年金の定義

国民年金とは基本、定年のない自営業者のための年金制度です。

20歳~60歳までの間の納付期間に納付した額によって受給額が変わります。65歳を過ぎても働きながら年金を受け取るという前提で設定されています。しかし、実際は現役バリバリで商売も継続的にうまくいっているケースもそれほど多くはないはずです。子供にかかった学費を65歳すぎても支払い続けるといったケースも多いようです。子供が自立していない場合などもあり、ワーキングプアやニートなどを抱え生活の面倒をみている場合などもあり、老後破産の原因にもなっています。

さらに国民年金受給できる方の多くは自営業者ですが、一般的には40年間満額納付したとしても年額にして¥779,300-であり毎月の受給額は¥64,942-であり生活できる金額には到達しません。

国民年金受給額の計算方式

20歳から60歳までの間に

  • 全額納付した年数
  • 滞納した年数
  • 免除を受けた年数

で決定します。
779,300 × 全額納付期間(月数)÷ 480(40年の月数)

単純に滞納があった場合には全額納付期間の月数を減らせば計算できます。
しかし、「全額免除」「1/4免除」「半額免除」「3/4免除」などを適用される場合があるため若干複雑な計算となります。
この場合には

779,300 × 〇 × 納付月数 ÷ 480

〇には下の分数を入れて当てはめます。
全額免除⇒4/8
3/4免除⇒5/8
半額免除⇒6/8
1/4免除⇒7/8

計算式に当てはめた例
  • 30年間全額納付した場合
  • 779,300×360÷480=584,475  月額にすると¥48,706-

  • 35年間全額納付した場合
  • 779,300×420÷480=681,887  月額にすると¥56,823-

  • 30年間半額納付した場合
  • 779,300×6/8×360÷480=438,356  月額にすると¥36,529-

    厚生年金の定義

    一方、厚生年金は企業の勤め人いわゆるサラリーマンの方が受け取れる年金です。

    通常は40年間勤めた場合、月収額の約半分程度、30万円ならば15万円といったところです。持ち家の住宅ローンの完済している場合には、この金額での生活に問題ありませんが40歳前後で購入、35年で完済となると75歳までの返済になります。返済金額にもよりますが、10万円前後の返済となると非常に厳しい生活環境となるはずです。

    厚生年金受給額の計算方式
    厚生年金の受給額の計算は国民年金と比べてとても複雑です。
    国民年金が加入型なのに対し、厚生年金は加入期間と平均給与が関係するからです。

    おおざっぱに言うと

    平均給与×一定乗率×加入期間

    平成15年3月までは、ボーナスを除いた平均月給
    平成15年4月以降は、ボーナスを含めた年収÷12
    という2段階での算出方法になります。

    ここで問題点が1つあります。この計算方式だと平成15年4月以降のほうが受給額が多そうに見えますが、一定乗率が変わります。
    乗率は
    平成15年3月までは 7.5/1000
    平成15年4月以降は 5.769/1000
    となっています。

    計算式に当てはめた例
  • 平成15年3月までの平均月収が25万円ボーナスなし 30年間
      平成15年4月以降の平均年収が500万円 10年間
      計40年間厚生年金を払った人の場合
  • 250,000×7.5/1000×360=675,000
    416,666×5.769/1000×120=288,360

    厚生年金を20年以上払い続けていれば同時に国民年金も払っていることととなり、その期間の国民年金も受け取ることになるので、今回の場合40年間満額として779,300円も加算されます。
    更に加給年金が加わります。
    65歳未満の配偶者が一人いた場合には年額約40万円となります。

    となるため675,000+288,360+779,300+400,000=2,142,660

    月額¥178,555-

    という計算になります。

    加給年金とは

    一定の配偶者と子供がいることで支給されます。家族手当のようなものと理解して良いと思います。

    上乗せされる額の確認
    加算の対象によって、次のようになっています。

    ●配偶者:22万4300円
    ●子ども:2人目まで、1人につき22万4300円。3人目から7万4800円
    (いずれも平成29年度価額)

    さらに、配偶者がいる場合に上乗せされる加給年金(配偶者加給年金)には、生年月日に応じて特別加算という加算が付くことになります。

    特別加算を加えた配偶者加給年金の額(年額)は以下のとおり。

    ●受給権者の生年月日別の配偶者加給年金+特別加算額
    昭和9年4月2日~昭和15年4月1日:25万7400円 
    昭和15年4月2日~昭和16年4月1日:29万0500円
    昭和16年4月2日~昭和17年4月1日:32万3600円
    昭和17年4月2日~昭和18年4月1日:35万6600円
    昭和18年4月2日以降:38万9800円 
    (平成29年度価額)

    ※加給年金を受ける要件は3つ

  • ただし、加算の対象となる配偶者が被保険者期間が20年以上(中高齢の特例の場合は15年~19年)の老齢厚生年金、または20年以上の退職共済年金を受給できるような場合には支給されません。
  • 老齢厚生年金の受給権を取得した当時、生計を維持している65歳未満の配偶者、または18歳に達した後最初の3月31日までの子どもがいること
  • 配偶者または子どもが将来にわたり、年収850万円以上の収入を得られないと認められること
  • 老後破産するパターン

    老後破産する人はおおざっぱに言うと、老後生活の蓄えがない人です。また、仮に蓄えがあっても健康状態が悪く医療費や介護保険が多くかかる人です。

    更に若いうちから浪費癖がある人も可能性が高くなります。30代から50代にかけての生活パターンなどである程度その選択が別れ傾向も出るようです。

    老後破産予備軍

    やはり30代から50代での生活パターンである程度の推測はできます。
    いわゆる老後破産予備軍と言われいくつかの傾向に当てはまる人が陥りやすいといえます。

  • 退職金や企業年金がない人で退職後住宅ローンが残っている人
  • 大手企業以外での中小企業でのサラリーマンの方や自営業者の方は受給できる年金額も少ないはずです。にもかかわらず定年後まで住宅ローンが残っている方は危険度が増します。
    さらに少しでもいい住居をと思い、見栄を張って高額な住宅を建てた方は残りローンも多くなっているはずです。

  • 賃貸住宅生活であるのに貯蓄がない人
  • 住宅ローンがなくても賃貸、特に収入に見合わない高額な賃貸住宅に住まれている方は、年金を満額受給しても生活費を残すことが厳しくなるはずです。貯蓄額もある程度まとまっていればいいですが、そうでない方は目減りも早く気が付いた時には貯蓄0になるパターンもあるはずです。

  • 晩婚で出来た子供がいる方
  • 大学までの進学と考えている場合などには定年後も教育費を払うことになります。しかも収入も平均的、年金受給額も平均的にも関わらず私立中学、私立高校など公立の3倍以上の学費がかかる学校へ通わせると高額な教育費に追われることになります。

  • ずっと自営業者の方
  • 長年自営業を営んでいた方は多くは国民年金の受給のみです。仮に最高額の受給だとしても年間779,300円の受給ですので、65歳でのリタイアをして年金暮らしはとても難しくなります。

  • 借金癖、ローン癖がある人
  • 車を含め、高額商品を均等払い、リボ払いなどで購入してしまうパターンの人。勤務収入があるうちは返済可能ですが、住宅ローン残と同様に年金のみの受給になっての残債を返済していくと生活を圧迫することになります。
    このような人は中年のうちからでも傾向が見えるはずですので注意が必要です。

  • 健康管理ができない人
  • 若いうち、中年になってからでも健康管理をしている方は、高齢になっても大病しにくい体になっています。しかし、若いうちの不摂生はまだしも中年になっても健康管理できない人はリタイア後に高額医療費や介護費用がかかることになります。また老人になっても健康な体をお持ちの方はアルバイト程度の仕事を見つけることも可能性が高くなります。

  • 生命保険など高額な支払いのある方
  • 若い頃に入った生命保険。途中見直しもせず昔のままの契約状態であるとか、無駄に支払いしているパターンが非常に多いです。
    最近ではフィナンシャルプランナーなどの無料相談も沢山出ています。どのようにしたらよいかわからずにいるよりは早めの相談が必要です。

    もちろん他のパターンもありますが、1つでも当てはまる項目があるならば老後破産予備軍意識は必要となるでしょう。

    老後破産しないパターン

    老後破産しないパターンとしては、老後にも貯蓄がある人となるわけですが、貯蓄だけがすべてではありません。そこで老後破産しないケースを見てみましょう。

  • 家計簿などで収支を把握している人
  • 家計簿などをつけて生活パターンや収支を把握している人は基本的にはある分の中で生活します。仮に少ない年金受給であったもその中で節約しながら生活します。また、若いうち、中年のうちから家計簿などで収支を把握している人は記録をノートやパソコンでの入力作業をしているため、認知症防止を自らしていることになり医療費介護費の削減にもつながります。

  • 節約できる人
  • とにかく節約できる人です。
    節約生活を過去に1度でも経験がある方は、仮に浪費癖の性格でも治すことは可能です。

  • 生活パターンを変えることができる人
  • リタイア後、またはそれ以前に収支を把握しつとめていたころとは違った生活ができる方。特に外食を控える、家賃を下げたところに住むといったプライドや見栄をある程度抑える生活をできる方は問題ないでしょう。

  • 健康管理を維持できる人
  • 一番大きな問題である健康。医療費や介護費の補助を受けたとしても出費にはちがいありません。
    健康体を中年のうちから心がける、早期治療できる方は医療費なども少なくてすみます。

  • 生活保護を受ける勇気のある方
  • 生活保護を受けるには一定の条件がありますが、実際には毎月15万円の保護金に加え税金などの免除も加わるためよほどのことがない限りは一般的な老後生活が送れます。

    老後破産しないようにするには

    老後破産は、上記からもわかるように予備軍と言われる段階で逃れられることが沢山あります。
    準備段階としてはせめて40代、50代から節約癖をつけて貯蓄する方法が何と言っても一番ですが、慣れていない方が節約することは普段からはできません。

    老後シュミレーションをしてみる

    まずは年金受給額を想定し、その時の支払額などとあわせてシュミレーションしてみましょう。
    この先で給与所得が変動る場合当然想定できますが、少なめの所得で計算してみるといいかもしれません。

    さらに現在も支払っている生命保険の見直しなども多くの窓口がありますのでそちらも早い段階で見直しすとよいでしょう。

    民間の年金制度の利用

    今では公的年金以外にも多くの金融商品などがあります。
    特に経済評論家や専門家などからも多く話が出る確定拠出年金などは今年新しい制度も追加されたため便利かもしれません。

    健康管理

    中年のうちから健康管理をしっかりして老後に備えることが大事です。
    普段行う健康診断の他にも今では民間の医療機関でも多くの検診をやっています。

    中年の健康管理、健康診断などはこちらを参考に

    まとめ

    年金制度はこの先どのように変わっていくのかはわかりません。

  • 受給できる年齢が70歳になるのか?
  • 人工知能の発達で70歳まで働ける仕事があるのか
  • などなど不安要素もたくさんあります。
    いずれにしても30代、40代、50代のうちから備えておくことは大切なことです。