製本機の検査装置を充実させることにしました

当社は中綴がメインの製本工場であるので、中綴機についてのトラブルの解説をします。

製本機で作業する場合トラブルが発生するには様々な要因があります。
そしてメカ的なトラブルは不良品発生のもとになります。

製本機による不良の種類

  • 乱丁
  • 落丁
  • 増丁
  • 汚れ・傷・ヤブケ
  • 三方断裁不良
  • 折れ込み
  • 表紙・本文位置ずれ
  • 針金不良

他にもありますが、メカ的な不良発生はこのくらいでしょうか?
このような不良品はなぜ発生し流出してしまうのでしょか?

ひと昔前ならば不良品が発生しエンドユーザーに届いた場合、交換本での対応で済んでいました。
しかし、一般的に無料で配られる本についても商品価値を求められ、説明書などにはついては製本とは関係ない商品まで買取させられたり売り上げの補填をさせられたりするようになりました。

製造物以外の商品の保証については契約外ではないか?という疑問は残りますが、今回はあくまでも社内で請け負っている製本のみについての製造域でのお話となります。

なぜ製本機でのトラブルは起こる?

製本作業時のトラブルは主に3つの原因から起こります。

  1. ヒューマンエラー
  2. ヒューマンエラーは機械セット、オペレートの問題、作業中のうっかりミスなどです。トラブルの中でも最も発見しにくく、管理してもしきれないことが多いトラブルです。

  3. 印刷物の状態が悪い
  4. 特に輪転機で刷る印刷物は紙くせが悪く、結束紐などの問題も多くあります。インクを速乾するためのガスの問題、湿度の問題も影響しているため製本会社で防ぐことは出来ません。最近では製本会社から印刷会社にフィードバックすることも多く改善しつつありますが、状態の改善はまだまだ必要です。

  5. 静電気などの障害
  6. 紙と紙の間で起きる静電気はやはり輪転機からの静電気が多いと考えられます。
    当社でも工場に紙を置かない状態で製本機械のすべての静電気を計測したところほぼ静電気は発生せず本のわずかの微量の電気しか流れていませんでした。静電気の問題は製本の永遠の課題と言えます。

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どのように不良品発生を防ぐか?

ズバリ、不良品の発生をを0にすることは出来ません。
何故なら、前工程での印刷の状態で製本作業体制、品質管理の方法が変わるからです。昨日の刷り本と今日作業する刷り本は同じ品目の商品であっても、温度、湿度、インクの乾き具合、用紙そのものの質が変わるからです。
不良品は発生したことが判明しても良品として混入されては意味がありません。
そこで発生から流出に至る経緯、識別方法を見ていきます。

発生した場合の対処法

不良品の発生原因は様々です。発生する際にどのように発見され対処されるのでしょうか。
トラブル発生を見極める方法は人と検知器です。

アナログ的な方法

作業員は良品と不良品の識別ができます。これは主に製本作業する前に指導され教育を受けることで学習します。
そして作業にも慣れ見れるポイントを自分なりに学習していくのです。

  • 人間の目視に頼る
  • 異常音で聞き分ける
  • 指の感覚に頼る
  • このようなことで識別判断をしていくのです。

    問題点
  • 紙の質感などを知るキャリアが必要
  • 製本知識の習得に時間がかかる
  • 不良品と良品の識別が人によって違う
  • この他にも体調不良や見逃しなど人的要因は思わぬところで発生していきます。

    カメラやセンサーに頼る

    製本機にはカメラをつけて不良品発生を防ぐ方法があります。
    上の画像は、丁合部、いわゆる作業員が給紙したあとに正しい刷り本かどうかを搬送チェーン上で識別する方法です。

    画像解析は瞬時に行われ、万が一の不良品が混入した際には針金を打たない状態、且つ三方断裁される前にリジェクトされます。
    リジェクト画像
    針金検知器画像

    給紙作業カメラのエラー、本の厚みに関するエラー(キャリパー部)、針金部分のエラーはここにリジェクトされるため不良品混入を防げます。

    更に三方断裁(トリマー)通過後の検査は本全体の厚みをはかるセンサーと大きさを測定するセンサーで検知させます。

    ここで折り込みや増落丁の再検査、本の寸法(2丁製本も可)を計測しています。

    検知器類の問題点
  • 計測スペース、リジェクトスペースが必要。
  • 価格がそれなりのため、購入までの資金調達が至難。
  • デジタル化されているものの完全IOT化されているわけではないので、先のソフトに別途資金が必要。
  • あくまでwork中の計測のため(停止状態計測ではない)、ブレ補正が難しい。
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    今後の品質管理体制について

    現在のところ、人の目に頼る箇所と検知器類に頼る部分から不良品流出を防止しています。製本機そのものよりも検知器類に設備投資がかかるのも事実です。
    過去5年間に発生流出した中綴事故は53件です。そのうち過去2年間に起きた事故は7件です。3年前に検知器を充実させようと試みてからの事故件数は圧倒的に減少しているのです。

    社員教育という点は、本の見方や機械的なトラブル予想などから検知器類の確実な操作に移りつつあります。
    検知器類を操作するのは人間ですから操作ミスもヒューマンエラーになります。そのための教育システム、管理がこれからの課題となりそうです。

    スマートファクトリーを目指して

    製本工場の自動化、デジタル化などは人間の感覚依存が多いため難しいとも言われています。
    当然、製本の無人化まではまだまだ程遠い世界です。
    しかし、エラー記録が取れても現場に置き去り、処理は不明。相変わらずアバウトでファジーな状態。
    現在、日本は産業の自動化、ロボット化に力を入れています。
    非正規雇用の問題、少子高齢化の問題、労働環境の問題と中小企業の多くにダイレクトに関連する問題ばかりです。

    このような多くの問題を解消するためにも、いち早い見える化、スマート化を目指していこうと考えています。
    同じような境遇にある会社様には是非これからも開催する「改善シンポジウム」に参加をお願いいたします。

    第3回改善会議開催予定は
    平成30年4月26日(木)

    場所時間未定ですが、参加意思ある方は
    こちらまで