5分でわかる簡単ISO

製本など工場経営しているとよく耳にするISO。

そもそもISOって何?それがあると儲かるの?っていう疑問ありますよね。
今でこそこの言葉自体落ち着いていますが、2008年頃には得意先からISOの取得を要求されたものです。

(もちろんこれは独禁法にあたるのでNGです。)

そこで、ISOって何?という素朴な疑問から簡単解説していきます。

私自身2007年から2010年までISOの審査委員をしてきた経験からのお話です。
今とは少し表現方法などの違いはありますが、基本的な考え方は同じと思われます。

そもそもISOって何だろう。素朴な疑問。

ISOって何?

International Organization for Standardizationの略称で国際標準化機構っていう団体名です。
団体名?
そう、団体名で資格の名前ではないんです。

国際標準化機構が策定した国際規格をISOって一般的に言ってるのです。

早速難しい言葉でこの時点で引いてしまいそうですね。

簡単に言うと世界各国、規格を統一しましょうよってこと

と言われても世界だの規格だのスケールが大きすぎてアレルギー反応起こしますよね。

ですからここはさらっと流しましょう。

さてここからが本題です。

品質マネジメントシステム

またまた難しい言葉です。

これは皆さまの会社の中で製品など作るときに必要なルールや手順がありますよね。そのルールや手順がしっかり守られているか?ということです。

そしてこの手順などををしっかりと会社組織にシステムとして運用されているかをISOという機関が認証承認するわけです。
上手く活用されてれば「晴れて認証」になるわけです。

でも会社によってルールや手順は違いますよね。そこでそのルールなどを自分たちで決めちゃうわけです。

はい、そうなんです。

皆様が今思ったこと、「ルール通りやるのは会社では当たり前のこと」ですよね。
ですから実はどの会社もこの品質マネジメントシステムはありますし、ほとんどの会社が確立されているのです。

うちの会社の例で言えば

  • 印刷物を支給され
  • 製本をします。
  • 必要な材料は製本に使う糊、針金などです。
  • 本ができたら包装します。
  • 本はパレットに積みます。
  • これが当社の手順・ルールとなります。
    品質マネジメントシステムは確立しています。

    ???
    ってなるはずです。
    簡単言うと

        

  • 印刷物を支給され
  • マジックで落書きをします。
  • 必要な材料はマジックです。
  • 落書きができたらハサミできざみます。
  • きざんだものはゴミ箱に入れます。
  • これでは何の仕事しているかわかりませんよね。
    ですから製本という仕事をルールを決めて本を作るわけです。

    皆様もこれで品質マネジメントシステムは確立できましたね。
    以上で終わりますと言いたいところですが、今回はISOのお話なのでもう少し解説します。

    ISOという機関が要求してくる

    先ほど世界がどうとか規格がどうとかというお話を飛ばしました。今回はISOという機関が、物を作るにあたり世界基準みたいなものを決めてそれがあなたの会社に当てはまっているかの審査をするわけです。

    あなたたちがやっている品質マネジメントシステムは世界の基準にあってます。という生意気な審査をするわけです。
    逆を言うと皆さまが作ったルールが世界の基準になってしまうわけです。

    これが国際標準化といわれるものです。

    ISOが要求する品質マネジメントシステム

    品質マネジメントシステムには、3つのキーワードが含まれています。

  • 品質(サービス業の場合は仕事の質)
  • マネジメント(Plan⇒Do⇒Check⇒Action)
  • システム(会社の仕組み)
  • 少し難しくなったので解説します。

    あなたの会社の品物(作らない場合はサービスの質)を作る際に
    目標などを決めて(プランを立てるplan
    目標を達成させるための方法を計画をたてて文書にします。
    文書化されたものを(実行しますdo
    計画通り進んでいるか(監査しますcheck
    計画通り進まない場合(見直しをしますaction

    これが俗にいうPDCAのサイクルです。
    少なからず一般的な会社でやっていることです。

    会社経営との違いと何が違うの?

    ここまでの内容で一般的な会社で行われていることが品質マネジメントシステムということがわかりましたよね。
    ではISOと会社経営の何が違うのかについて説明いたします。

    2つの大きな違い

    ISOはcheckとactionを確実に実行させます

    一般的な会社では目標や計画を立てて実行しても、内部監査員などを配置して見直しを徹底的に行うことは少ないはずです。

    ISOの場合、見直した新たなPlanの部分に要求事項が関係してきます。自分たちで勝手に決めたルールを設置するだけではダメなのです。
    ISOは国際規格です。ですからこの部分に要求事項がいくつか発生してくるのです。

    もうひとつの大きな違いは

    ISO9001の基本理念として常にあるのが顧客満足です。

    お客様に常に満足いただける製品品質(サービス品質)を継続的に供給するために
    仕事の進め方をISO基準と照らし合わせながら会社のルールとして文書化し、
    実行し、
    実行度合を点検し、
    実行できていない部分が発見されたら是正する

    一般的な会社の場合、計画通り進んでいるかの会議などを行い反省し次の対策を取ることまではやっていますが、ISOの場合、このシステムそのものが会社で上手く活用しているかどうかを問われます。

    簡単に言うと、品質マネジメントシステムを活用してちゃんと儲かってますか?ということなのです。

    ここまで話すとISOを取得すれば儲かると思うかもしれません。

    事実、2008年頃にはISO認証のために莫大なお金を払い、認証取得の看板を掲げる会社が多くありました。

    しかし、実態はうまく活用しているわけではないので、取得に莫大な費用を払い退くことになっていたのです。

    不良品は0になるのか?

    ISOを取得していることと、不良品が発生するかどうかは関係ありません。不良品が多い会社でもISOは取れます。

    そもそも、不良品の発生率だけでISOが運用されているかはきまりません。業種や取扱製品などによって、不良品の発生率は異なるからです。

    ISOが目指しているのは、不良品を0にすることではなく、不良品を0に近づけるための仕組みを作っていくことです。ISOシステムは『不良品やクレームは発生する』ことを前提に構築します。

    品質を高めるために
    会社の方針・目標を定め(P)・・・文書化
    目標を実現するための具体的活動計画を定め(P)・・・文書化
    実行し(D)
    定めた計画通りに実行されているかチェックし(C)・・・監査
    不都合な部分があれば改善する(A)・・・改善
    というマネジメントシステムを
    会社の仕組みとして運用する

    これが、ISO9001です。

    ISO9001は経営改善ツールとも言われています。

    品質を継続的に改善するために、最低限「○○を行ってください」という世界共通の要求事項があります。これがISO9001規格要求事項と呼ばれています。

    少しくどくなりましたが、ご理解いただけたでしょうか。

    大切なのは、製品の良し悪しではなく、決めたルールを守り仕組みどおりにできているかどうか。不良品が発生しても、それを速やかに回収し、原因を追究し、改善に結びつける仕組みがあることが求められます。

    そして、少しずつ改善していく仕組みを社内に根付かせていくことで、継続的に改善していきます。

    ISO取得のメリットデメリットは?

    はっきり言うと、メリットもデメリットもありません。

    あくまでも認証なので、資格とは違います。

    ただし、第三者審査が行われるためお客様からの信頼度に関して言えば、優れたシステムだと思います。

    しかし、ISOを構築しても、1年、2年では大きな変化は見られないかもしれません。

    常に会社が良くなるようにルール改正をする仕組みをつくることで、会社は少しずつ良い方向に変わっていく、これがISO 9001の考え方です。

    もう一つは作業の手順が明確化されるこで時間や作業工程のムダが省けるようになる可能性があります。もちろん、作業するにあたっての非効率な部分も並行して発生するので習慣づけがうまくいかない場合はこの部分がデメリットになるかもしれません。

    リーダーや上司の思いつきではなく、システムに沿って業務を行えるようになるため、トラブルが生じてもシステムとして解決しやすくなる。
    従業員は、リーダーのもとで働いているのだという自覚を持ち、全員が一丸となって「会社をよくしよう」と取り組むため、会社全体のムードもよくなるといった希望的な部分もあるかもしれません。

    あとは第三者機関からの認証であるため、審査費用も発生します。

    システム構築をして運用して利益率と審査費用のバランスも考えなくてはいけません。

    私の経験上、
    認証取得までの準備期間1年、運用期間5年でかかった費用は従業員27名で少なくとも500万円でした。

    もちろん構築によって会社内が整備されお客様が増えたことと当時のISO取得に関する行政からの助成金などを含めると損をした感覚はありません。

    ISOを構築した最初の年は、システムを構築することで精一杯で、効果を実感できない企業も多いようです。

    しかし、ISOシステムは継続することで効果が出る仕組みになっています。認証取得はあくまでスタート、取得後の各取り組みによって、効果が表れます。

    企業内で独自の管理システムを構築できる大手企業と比べると中小企業はこのシステムを利用したほうが

    ちゃんとやってます感をPRするにはいいのかもしれません。

    ISOを取得するには?

    手順に関しては、ネット検索などで調べればすぐにわかることですが、

    大まかにお話をすると

    準備期間1年
    構築
    運用
    3年毎の再審査

    準備期間は自社で文書作成から実践までは大変な労力です。
    ここはコンサルタントにお任せしたほうがいいかもしれません。

    取得にいくらかかるの?

    取得するまでにかかる費用は場所、規模、従業員数などにより大きく異なりますが
    コンサルタント料は
    従業員1名あたり2~3万程度と
    毎回のコンサルタントの交通費くらでしょうか。

    コンサルタントは内部監査員養成など別途料金が発生する場合がりますので
    相当の開きがあります。

    10名以下の少数でも80万円~100万円
    100名程度で200万くらいは最低かかると思います。

    取得の審査費用にも規模や場所により幅がありますが、
    60万円~120万円くらいだと思います。

    取得までの期間はどのくらい?

    毎月2回のコンサル、予備審査など含め1年から1年半の期間は必要です。

    突貫でも取得は可能ですが、従業員の実にならない上部だけの認証になるのでお勧めはできません。

    ISOがなくても会社はよくなる考え方もある
    整理整頓できていない本の画像

    整理整頓できていない本

    当然ながらISO認証取得だけがお客様の信用を得るわけではありません。

    認証していない会社でも品質マネジメントシステムをうまく活用している会社は沢山あります。

    当社の場合も
    私個人の経験を活かし、品質マネジメントシステムは構築しています。

    もちろん、自慢できるほどの文書もないですが、
    ルールの作成、目標の設定、進捗の確認、手順の是正などには大きく力を注いでいます。
    ISOに絶対的に必要な5Sについても独自のS活動を行っています。

    整理整頓された本の画像

    整理整頓された本

    それは5S

    整理
    整頓
    清掃
    清潔
    しつけ
    節約
    スピード

    に加えた7S活動を行っています。

    当社の場合、何のために
    整理整頓するの?

    何のために掃除するのが理解できない社員が多かったためです。

    答えは社員の生活水準をあげるために会社が儲かりましょう!

    そのためには節約とスピードが大事です。
    ですからそのために整理整頓しましょうね。

    という単純な発想です。

    まとめ

    5分でわかると言いながら10分程度かかったのではないでしょうか?

    ポイントだけ抑えると3分でも理解できる内容にしました。

    ISOの聞こえはいいけど、なかなか上手く運用できていない会社も多いです。

    特に、
    「うちの会社はISOのためにいろいろやってて面倒くさい」
    などとこぼしている社員がいたら即刻ISO認証取得や構築などやめた方がいいと思います。

    なぜなら我々はISOのためにでなく、会社が儲かるためにISOを運用しているのですから・・